「違いを乗り超える」  05.10.09
                使徒言行録8:4〜25

 聖霊降臨日にエルサレムで誕生したキリスト教会は、
聖霊の導きによって成長していきましたが、迫害という
厳しい状況が起こってきました。
 ステファノが殺害され、多くの者がエルサレムから追い
やられてしまいます。
 しかし、悲劇は悲劇のままでは終わりません。このことを
きっかけに、サマリヤ地方にも福音が届けられ、救われる
人が起こっていきました。
 フィリポがサマリヤで伝道をしました。その地方にはシモンと
いう魔術師がいました。魔術師というのは、悪意あることをして
いた人とは限りません。彼は、普通の人にはない特別な力をもち、
多くの人をひきつける魅力ある人物でした。
 サマリヤの人々は、フィリポに対して、シモンにはない魅力を
見ました。 それはフィリポがシモンに勝る奇跡を起こしたから
ではありません。
 「神さまが、あなたをしっかりと御手のもとにおき、愛し、救い出して
くださる。イエスさまがあなたの罪を赦してくださったのだから、間違い
ない」という福音を伝えていたからです。

 人々は、洗礼を受けました。シモンも洗礼を受けました。福音は、
魔術を不用品とします。確かな救いの恵みに生きるときに、魔術に
振り回される必要はもうなくなります。
 自分を救い、神の国に迎え入れるために、イエスさまを十字架に
かけてくださった神さまの大きな御愛がある。
 自分はその御愛に支配していただいている。これを知って生きる
からです。
 世には多くの占いの類があり、人々は気にするようですが、人を
支配するのは生まれた日付ではありません。親が心をこめてつけた
名前を、評価し批判するのも筋違いです。神さまの恵みのご支配を
知らないゆえに、不安に縛られ、それらに心が奪われるのでは
ないでしょうか。

 福音は、ユダヤ人と仲の悪かったサマリヤ人にも、そして魔術師
シモンにも届けられます。
 大きな勘違いをしているシモンですが、彼も洗礼を受け、御霊を
受けています。
 ですから御霊に導かれ、悔い改め、修正し、整えられていきます。
 私たちも同じです。